パンテーンのフケ予防シャンプーの不愉快なアンビエント広告

Book, Amazon, Advertising Comments (0) | Trackbacks (0)

今回紹介するのは、P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」がフケ予防シャンプーのためにドイツで行ったキャンペーン。

バーやレストラン、食堂などの飲食店に女性の顔を描いたオリジナルのソルトシェーカーを置いて、さらにソルトシェーカーの裏に「STOPS IT: Anti-dandruff shampoo by Pantene Pro-V(それを止めてください。パンテーンPro-Vのフケ予防シャンプー。)」のコピーを付けるというものです。

つまりは、下の写真を見てもらえばわかる通り、ソルトシェーカーを女性の顔、塩をフケに見立てて、パンテーンのPro-Vシャンプーを使えばフケ予防になるということを強烈にアピールしているわけですね。

Pantene_Dandruff

いやぁ、よく考えられてます。ナイスセンスです。

でも、個人的にこれはナシ。

だって、こんなソルトシェーカーから出てくる塩を振りかけさせられたら、飲食店を利用するお客さんの立場としては料理がマズく感じられて不愉快だし、その嫌な経験を後々までブランド体験として引きずってしまいそう。

訴求内容に関しても、「パンテーンはフケ予防になる」ではなく、「パンテーン=フケ」という脳内変換がされてしまって、確実に逆効果な気がします。

ちなみに、このあたりは「no problem LLC.」でコピーライター兼クリエイティブディレクターとして活躍する小霜和也さんの近著『欲しい ほしい ホシイ』でも触れられているので、最後に長文転載させていただきます。

素直がいちばん

さて、言葉についても、脳はカロリーセーブしながらざっくりした解釈をしようとします。
ずいぶん以前、たしか糸井重里さんがこんなことをおっしゃっていたという記憶があります。
「うんこくさくないダイヤモンド」と言っても、うんこの臭いが残りますよねー(うろ覚えなので・・・、間違ってたらすいません)。
「感覚は理屈に勝つ」ということを端的に指摘したのだと僕は解釈しましたが、だから僕は、広告コピーはなるべく素直なものがいいと思っています。
それはなるべく「肯定語」を使用する、ということです。
「この商品は売れてます」
と書けば、それを読んだ人は、ははぁ、売れてるのね、と認識してくれます。
しかし、
「この商品が売れないなんて、ありえない!」などと言い方をひねったとすると、これを読んだ人は無意識に、んー、ざっくり、売れない、みたいなこと? と思っちゃうんですね。
…(中略)…
「ネガキャン(ネガティブキャンペーン)」と言われるものがありますね。
いやなものを見せたり、不安を煽るようなメッセージを投げかけ、気をもませておいてから、「そこからあなたを救済しますよ」と、商品登場。
理屈上では、いろんないやなこと、不安なことが商品によって払拭されるわけですから、好意度急上昇となるはずです。
しかしじっさいには、表現がネガティブだと商品もネガティブな印象になってしまいます。
ざっくりした脳は「ネガティブなもんはネガティブやろ?」と解釈してしまうからです。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とは、ほんとうによくできたことわざです。

ちなみに、この『欲しい ほしい ホシイ』という本は、広告業界で働く人には激烈にオススメです。特に頭でっかちで、理屈ばかりこねる人にはぜひ読んで欲しい1冊です。

欲しい ほしい ホシイ── ヒトの本能から広告を読み解くと 欲しい ほしい ホシイ── ヒトの本能から広告を読み解くと
小霜和也

インプレスジャパン 2010-05-21
売り上げランキング : 2728
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

【参考記事】
・P&G Pantene Pro-V Anti_Dandruff Shampoo: Dandruff is not appetizing | Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/ambient/pg_pantene_prov_anti_dandruff_shampoo_dandruff_is_not_appetizing


WP Theme & Icons by N.Design Studio
Entries RSS Comments RSS ログイン