このところネットの接続時間を削って意識的に本を読むようにしています。そして、今回紹介する『2011年 新聞・テレビ消滅』も最近読んだ1冊です。
すでにタイトルだけでも内容の想像がつくとは思いますが、元毎日新聞記者であり現在はフリージャーナリストとして活動している著者・佐々木俊尚さんにより、「2011年は、新聞とテレビという二つのマスメディアにとっては墓碑銘を打ち立てられる年となる」という、かなり辛辣な論旨が展開されています。
マスメディアで働いている人にとっては、この本は間違いなく読んでいて心地いいものではないでしょうし反感を抱く部分もあるはず。しかし、それでもあえて読んでみるべき価値がある1冊だと思います。
なぜなら、この本を読めばかなり鈍感な人でも現在のマスメディアの崩壊が決して不況によって引き起こされた問題ではなく、以下のような構造的問題によって引き起こされていることが理解できるはずです。
・マスメディアの「マス」が消滅し始めていること。
・メディアのプラットフォーム化が進んでいること。
でも、きっと最大の問題はこうした意見を聞き入れて本気で危機感抱かなきゃいけない人たちこそが耳を塞いで聞こうとしていないってことでもあるんでしょうけどね。
ちなみに、この本の中ではマスメディアが崩壊していく主要因として広告収入の減少についても語られていますが、このあたりは広告業界で働く人や企業の広報・宣伝担当者にとっても参考になるものがあると思います(とくにP.57~64あたり)。
結局のところ、この本を読めばわかるように、いまのマスメディアや広告業界が抱えている問題は現在の広告費の落ち込みは景気循環的な問題であって、景気さえ上向けばまた広告市場にドバっとお金が流れ込んで、旧来からの既得権益でビジネスが成り立つって考えている古いパラダイムの人たちがたくさんいるってことなんですよね。
そういう意味では、マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏がカンヌ国際広告祭で語った「広告業界は不況ではなく、低いレベルに“リセット”されたのだ」という発言こそがこれからの広告ビジネスを見る上での正しい認識なんだと思います。
![]() |
2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書) 文藝春秋 2009-07 |
- コンバージョン課金型の成果報酬サービスは“明日の広告予算”の前借りに過ぎないと思うんだよね
- 「風とロック」が応援するロックイベント「ロックの学園2009」が3月に3日間だけ開校
- 広告コミュニケーションの最適解は広告会社とクライアントの傾聴・対話によってしか見えてこないんじゃないかなぁ
- 『ゴールは偶然の産物ではない』。今年読んだビジネス書の中では間違いなく現時点でNo.1
- DDB(ドイル・デーン・バーンバック)を知らないモグリな広告人におすすめ。1時間で読めるDDBのVWビートル広告集『クルマの広告』




しばし失礼していました。
やっと出ました(あーしんど)。
http://mizunoyutaka.blog.so-net.ne.jp/2009-12-21
です。
前半の認識は佐々木さんと同種、さて後半はマス・メディア広告の21世紀型探索、です。
何卒どうぞ宜しくお願い致します(営業・笑)。
Posted at 2009.12.21 17:18:22 by yutakami