すこし愛され、ながく愛される広告は今の時代には生まれないものなのかなぁ

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ご存知のように女優・大原麗子さんがお亡くなりになりました。

ここ数日テレビでも訃報が伝えられていますが、その際に強く印象に残ったのが、私が見た限りすべての番組で「大原さんと言えば…」で「すこし愛して、ながく愛して。」のサントリーREDのCMが話題にのぼること。

あのCMがシリーズとして放送されていたのは1980年代前半ごろのことですから、私が小学生のとき。そして、そういう物心ついて間もない私でさえ、大原麗子と言えば「すこし愛して、ながく愛して。」の人という印象が強く残っています。

だから、こうしてサントリーREDのCMの話が出るのは当然といえば当然のことなのかもしれません。

でも、こんな風に女優さんが亡くなって映画やドラマが代表作として話題にのぼることはあっても、CMが代表作として取り上げられるケースは極めてレアケースなのではないかと思います。

あらためて「すこし愛して、ながく愛して。」という名コピーそのままに、あのCMがいかに人々に少し愛され、ながく愛され続けたのか考えさせられます。

もちろん「すこし愛して、ながく愛して。」なんてコピーは、決してウイスキーという商品だけに当てはまるコピーであるわけもなく、商品特性をまったくあらわしていない情緒的過ぎる表現といううがった見方もできます。

でも、今放送されているCM、もっと言えば今の広告のなかに、こんな風に人々の脳裏に長い間刻まれる広告ってあるのだろうか、とふと思わずにはいられませんでした。

一方、最近の広告は言葉ではなく映像の豪華さやコピーも商品特性そのものズバリをうたうものが多くなっている気がします。そして、その狙いの多くは「すこし愛され、ながく愛される」ことよりも瞬間最大風速をどれだけ稼ぎ、どれだけ消費者の直近の商品購買行動に影響を与えられるかばかり。

たしかに時代は移り続けていて、企業が「すこし愛して、ながく愛して。」なんて言ったところで、消費者が「はいはい」と応じてくれるわけはありません。直近の成果こそが企業の、そして広告会社の担当者にとっての最重要項目であることも理解できます。

しかし、先日取り上げた『サマーウォーズ』という映画でも、多くの人が「おばあちゃんの言葉に深く感動した」とブログ等で綴っていることからも、それがいかに情緒的な言葉であっても、普遍的に人間にとって感動を与えられる言葉っていうのがあるのではないかと考えずにはいられません。

そんなことを思って、先日の広告系総会後の2次会でもフリーでコピーライターをしている方と「言葉(コピー)の復権」についてしばし熱い議論を交わしてしまいました。

さて、ちょっと書いている内容が懐古趣味っぽくなってきたので今日はここまでにしますが、日本人のDNAには言霊信仰というものが深くインプットされているような気がするので、クロスメディアやインタラクティブもいいですが、広告業界では根源的な言葉のパワーというものにあらためて注目し直してもいいのではないかと感じている今日このごろです。

最後になりましたが、心より大原麗子さんのご冥福をお祈りいたします。合掌。

追記:
それにしても、1年以上前に「YouTube」にアップされた上の動画、大原麗子さんがお亡くなりになってからの再生回数の伸びが半端ないです。
おそらく「YouTube」だけではなく、私よりも上の世代でこのCMがここ数日で脳内再生された回数はすごい数になるんでしょうね。そうした目に見えない広告効果も計り知れないです。

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