このところ、ネット系の広告会社からクライアントのニーズという名のもとに、コンバージョン(CPA)課金型のWebサイト制作やSEO、リスティング広告、LPOなどさまざまなサービスがリリースされています。
でも、私は基本的にアフィリエイト以外のコンバージョン課金型サービスの乱売には懐疑的です(アフィリエイトの場合は、そもそもの起源が広告会社によるアイデアではなく、アダルトサイトやアマゾンといった事業主側のアイデアなので、ここで言うケースとは違うものだと考えています)。
そりゃ、コンバージョン課金型サービスといえばクライアントの耳障りも良いだろうし、売りやすい商品なのかもしれません。
でも長期的に見た場合、そういう商品ってクライアントの根本的な問題解決を妨げることになるんじゃないかと思うし、それって広告会社がパートナーとしての立場を放棄して、業者に徹することを選択したことになるんだと思う。
だって、もし本気でクライアントとリスクやレベニュー(利益)をシェアするなら、広告だけではなく、利益につながるすべての項目に口を挟めなければ、本当の意味で成果にコミットするなんてことはできない。
「そんな商品じゃ、どんなに良い広告打ったって売れっこありませんよ。だから、商品をこういうふうに改良しなくちゃ」
「パッケージはこうして、ネーミングはこうして、流通チャネルはこうして、だからこそ広告を出す意味があるんですよ」
「これまでオンラインをやってこなかった大手の競合企業が参入してきたので、オンラインのマーケティング戦略をこういうふうに転換する必要がありますね」
「不景気の影響で急速に消費者の購買意欲が冷え込んでいるので、注力商品はこちらの景気の影響を受けにくい商品に切り替えるべきですよ」
そんなふうに、売りにつながるすべてのことにきちんと的確なアドバイスができないうちは、コンバージョン課金型サービスなんて絵に描いた餅でしかない(実際、今の広告会社にはそれが求められてもいないし、現状では仮にその要望があっても十分応えることは難しいんじゃないかと思います)。
売りやすいからコンバージョン課金型サービスをリリースしようなんて考えている企業は、1度ドラッカーさんの次の名言を噛みしめてみた方がいいと思うんだけどな。
「事業の目標として利益を強調することは、事業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤り導く。今日の利益のために、明日を犠牲にする。売りやすい製品に力を入れ、明日の市場のための製品をないがしろにする。」
(ピーター・F・ドラッカー『経営の哲学』より)
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経営の哲学 (ドラッカー名言集) 上田 惇生 ダイヤモンド社 2003-08-01 |
- 「風とロック」が応援するロックイベント「ロックの学園2009」が3月に3日間だけ開校
- 「現在の広告収入の落ち込みは不況が原因だ」なんて本気で信じてる人は一度『2011年 新聞・テレビ消滅』を読んでみるべし
- 広告コミュニケーションの最適解は広告会社とクライアントの傾聴・対話によってしか見えてこないんじゃないかなぁ
- 『ゴールは偶然の産物ではない』。今年読んだビジネス書の中では間違いなく現時点でNo.1
- DDB(ドイル・デーン・バーンバック)を知らないモグリな広告人におすすめ。1時間で読めるDDBのVWビートル広告集『クルマの広告』



市川伸一(

そうですね。アフェリエイト以外の課金CPA、LPO、リスティングは懐疑的ですね。それだけで効果がある、他のメディアは行動効果の可視化が不明だからダメというような声がネット界から聞こえてくるような気がします。確かに新しい方法で、否定はしませんが、見方によってはストーカー行為ともいえます。人の家の郵便箱に勝手にチラシを入れるバカ会社のようです。時には目障りですね。邪魔ですね。
広告は、効かない、必要ないと、売れない、と叫ばれ始めていますが、
効く環境下、効くメッセージ、伝えたくなる話題性、伝播したくなる仕組みを、しっかりと生活者視点で押さえ、既存または既存外の広告枠をつかって意思の疎通をすれば、拡散していくと思います。
見る人、聞く人、が見たくなる要素をいれないで、
送り手本位なメッセージが多すぎるような気がします。
Posted at 2009.03.3 12:57:28 by okada
okadaさん
あっ、いやその、勘違いして欲しくないのですが、ここではネット広告がダメとかマス広告が良いとか言うつもりはまったくないので。私自身ネット系の人間だし。
Posted at 2009.03.3 13:37:34 by Souseki
こんにちは、アイカワです。
ゆるーい突っ込みを。
自分のポジショニングを明確にするために、
どちらかの立場に振ってみる、というのはありだと思います。
けど、やっぱり当たり前だけど、
殆どの場合、中間地点が正解ではないかと。
全てがCPAベースになってしまうのは間違いです。
けど、そのCPAベースの広告も必要なものだと思っています。
既存の広告の中で最も費用対効果がよい手法であれば、
それを一部のプランに組み込むのは、
パートナーたる広告会社としてあるべき姿じゃないですかね。
Posted at 2009.03.3 13:53:30 by アイカワ
突っ込み有難うございます。私の文脈が悪く本来伝えたかった意味が伝わらなかったような気が致します。すみませんでした。
私が伝えたかったのはマス広告が効く、ネット広告が効くということではありません。ネットが進展して効果がある意味可視化されてきましたが、しかし、ここで言う効果は短期的行動効果に過ぎないということです。
本来の広告効果とは、長期的に”知覚の累積”と短期的行動効果の両面があるということです。短期的行動効果だけでみるのはある意味危険も含まれるというこです。人間はロボットではなく感情動物です。行動を起こすということは、なんとなく(無意識に、お得感があるから、便利だから)行動するときと、理屈ぬきに好きだから行動する場合と両パターンあると思います。短期的な行動効果だけで効果があったというのは、極めて難解なクリエティブ効果やマーケティング・キャンペーン戦略全体からできる知覚と話題力などの効果が完全に抜けてしまうからです。
どうやら、広告のみの効果(プロモーションだけの効果)は
極めて複雑で難解ということをどうやら伝えたかったようです。
Posted at 2009.03.4 10:52:25 by okada
はじめまして。
以前某ゲームメーカーの販促担当をしていたのですが、メーカー側からみて広告会社様はやはり「他人のふんどし取り」にしか思えませんでしたSousekiさんのいう本当の意味でのパートナーとなり得る広告会社様にはなかなか出会えておりません。(実際僕がSPツールの営業やってた時代もそう考えたことがなかったですし)
ただ、中々モノが売れない世の中でもありますのでこんな時代こそ真摯にモノ作りに取り組むメーカーと広告会社のパートナーシップが必要だと感じますねー。
ドラッカーさんの言葉、身にしみました。忘れずに日々励みたいと思います。
Posted at 2009.03.5 22:00:47 by sea
seaさん
はじめまして。Okadaです。
そうそう国内では、メーカーと代理店の関係は永遠の課題です。プロモーションの役割は、マーケティング戦略の中の1要素にすぎないのですから、マーケティング戦略があって、その延長上にプロモーション戦略があると思っています。そのマーケティング戦略が曖昧?間違っている?であれば、当然プロモーションも間違ったままですよね。でも、国内企業の場合なかなか、代理店からお客様にそんなこといえる環境ではないですよね。(悲しいですが、そういうお客様にあったことがない)
そして、代理店だって完全無欠な人間ではないし。正解はメーカー側にも代理店側にもなく、生活者の知覚が知っているだけです。だから、プロモーションもメーカー内で完結できればそれが一番いいものと思っていますよ。
しかし、全てはそうもいかないですよね。
組織が大きくなればなるほど失敗している会社も多いのです。
メーカーと代理店の関係は、永遠の課題かもしれませんね。
Posted at 2009.03.6 10:21:59 by okada