昨日付けの「smashmedia」の記事で、河野さんが有料リンクについて語っていたのですが、私も前から有料リンクについては言いたいことがあったので早速エントリーします。
正直言って、有料リンクは個人的にSEOスパム以外の何ものでもないと思っているのですが、有料リンクを販売する業者に対しては怒りというよりも、「なんて哀れな人たちなんだろうなぁ」と蔑(さげす)みの目で見てしまっています。
というのも、これって自分たちが今後生きていくべき将来の市場を自ら食い潰すバカな行為だからです。
SEO会社なんて今では数社が上場してそれなりに認められてはいますが、もともと数年前は怪しさこの上ない人たちと見られていて、詐欺師呼ばわりされていた。それが、先駆者たちの努力によって最近になって何とか形になってきたという経緯がある。言ってみれば、先人たちが厳しい世間の眼という“いばらの道”を切り開いてきたわけです。
それなのに、有料リンクの販売なんて怪しいことに手を染めていたら、築き上げた信用も一気に低下しますし、その行為自体が先駆者たちの努力を踏みにじることになる。
おそらく普通の人たちがこういう業者の姿勢を見ていたら、結局SEOなんて一時のブームで怪しい人たちばかりが蠢(うごめ)く世界で、まともな会社が関わるべきことじゃないんだなって思いますよ。しかも、一度失った信頼を取り戻すのは、最初に信頼を築き上げる以上に難しい。というより、もう一生かかっても無理と言っても過言ではない。
さらに、有料リンクを買って検索順位をどうにかしようなんて考えている企業も、それはそれで考え直すべきだ時期だと思う。はっきり言って、自社サイトの訪問者数やアクセス数を稼ぐことが事業に必ずやプラスの影響を及ぼすなんて迷信を信じるのはやめた方がいい。
仮に検索結果の1位に表示されてアクセス数が増えても、サイトの内容がクソならユーザーは2度とそのサイトを訪れたいとは思わないし、ブログやSNSでバンバン悪口も書く。そういう評価を聞いて、やっとこさサイトをリニューアルしようとしたところで、もう時すでに遅し。1度クソサイトの烙印を押された企業のサイトへなんて誰も行こうとしない。
例えば、人通りの多い場所に出店したラーメン屋が最初は繁盛していたけど、しばらくすると誰も行かなくなるようなもの。結局は、肝心の味や接客や店の雰囲気が良くなければ、立地が良くても店は繁盛しない。お金を積んで人通りの多い場所に出店しただけでは意味がない。
「上位表示の対策とともに、内容を重視することが必要だ」なんてことを言う人もいるけど、これはまったく逆の発想で、正しくは「内容を重視するとともに、上位表示の対策も重要」ということ。立地だけ確保してから、ラーメンの味を研究し始めたって遅いでしょ。
そして、こういう図式は何もSEOだけの話じゃなくて、PayPerPostの販売によってブログ・マーケティングの未来を潰している業者にも当てはまる。
こうした有料リンクやPayPerPostの販売といった安直なビジネスでお金儲けをしようとしている人たちは、いま一度ピーター・ドラッカーの次の言葉を噛みしめた方がいい。
「事業の目標として利益を強調することは、事業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤り導く。今日の利益のために、明日を犠牲にする。売りやすい製品に力を入れ、明日の市場のための製品をないがしろにする。」(『経営の哲学』P.123)
有料リンクやPayPerPostを販売するってことは、売りやすい製品に力を入れて、自分たちが将来生きなければならない明日の市場を食い潰しているってことを、いい加減に気付くべきじゃないかな。
世の中に100億稼ぐ企業はたくさんあっても、100年続く企業が少ないのは、結局はこういう長期的な視点をもった人たちが少ないってことも少なからず影響しているんだと思う。
![]() |
経営の哲学 (ドラッカー名言集) P・F・ドラッカー 上田 惇生 ダイヤモンド社 2003-08-01 |


市川伸一(

Recent Comments