オーダーメイドスーツのように、マーケティングプランもオーダーメイド発想で

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マーケティングセミナーなどで講演する際に、聴衆にウケるためには必ずやらなければいけないことが存在します。

それは、成功事例をふんだんに盛り込むこと。

成功事例は集客力のあるテーマですし、成功事例なしで話を進めると必ずと言っていいほど講演後の評価は低くなります(「もっと具体的な話が聞きたかった」なんてコメント多数)。ただし、個人的にはセミナーにおける成功事例はかなり危険な要素だと思っていて、自分が講演する時には極力控えるようにしていました。

どういうことかと言うと、多くの人は成功事例を知ることで満足してしまったり、自分のいる業界とは全く違う業界の成功事例なのに、それをそのまま自社に適用できると勘違いしてしまうことが多いのです。

例えば、大企業が話す成功事例の多くは、ブランド認知度が高くて広告費も潤沢なケースが多く、中小企業の担当者などが頷きながら聞いているのを見ると、「で、それ聞いてあなたはどうするの?」って思うことが少なくありません。

成功事例を聞いて、自分の会社にはそれが本当に適用できるのか、適用できないならアレンジは可能か、それをヒントに何か新しい仕掛けが思いつかないか、というスタンスで頭をフル回転させて、考えるひとつのキッカケとして聞くならいいけど、結構みんな脳停止状態で必死にメモを取りながら聞いていることが多いように感じます。

先月、NHKの「トップランナー」という番組に、クリエイティブディレクターの高松聡さんが出演された際に、「広告はオーダーメイドな商品なんで・・・」と語っていましたが、広告(マーケティング)ってまさにコレが重要な部分で、どこかの会社の成功事例をそのまま適用したからって商品が売れるなんていうことはないです。

それこそ、成功事例をそのまま自社に適用しようなんて考えるのは、ファッション雑誌でスタイル抜群のモデルさんが着ている服を見て、それをそのまま買ってしまうようなスイーツ(笑)な女性のようなもの。

人間にはその人に合った服があるはずだし、商品にはその商品に合ったマーケティングプランというものがあるはずです。仮に予算の関係でパターンオーダーの服しか買えないとしても、コーディネート次第でそれぞれの商品に似合うものがきっと見つかります。そして、マーケター(広告マン)にとっては、その時代時代の流行を考慮に入れつつ、その商品に似合うモノを見つけることこそが最大の腕の見せどころ。言い換えるなら、マーケター(広告マン)は仕立屋だったりスタイリストみたいなものかもしれない(ところが、実際にはそれを放棄して、マニュアル化した既製品を売ろうとする人も多いです)。

そんなことを考えて、それをまずは何とか商品ごとにロードマップ化できないかと考えていたら、すでに『明日の広告』で佐藤尚之さんがウマイことまとめてくれていたので、自分へのメモの意味を込めて、以下に抜粋しておきます。(ただし、これはあくまで商品ごとのロードマップなので、実際のプランニングの際には事業戦略や商品のポジショニング、流通チャネルなど複数の要素が絡んでくるはずです)

・ひっかけナンパ
 コンビニで売っているような「棚の前に立って3秒でどれを買うか決めるタイプの商品」の場合、つきあいは別に短くてもよい。ラブレターを渡して1回でもデートにつきあってくれたら儲けもの。要するに1回買ってくれれば満足なのである。清涼飲料水、お酒、お菓子、食品、トイレタリー、ドラッグなど、数分から数時間で消費してしまう商品や、安価な商品はこのタイプだ。
・ちゃんとしたつきあい
 いわゆる一般的な恋人関係である。結婚まではまだ考えられないが、ちゃんと相手と濃密な時間を過ごす。ファッションやファッション・アイテム全般、小型家電、文具などの教育系、サービス全般など、数週間から数ヶ月以上一緒にいる商品や、比較的お金がかかる商品がここに入る。
・結婚が前提のおつきあい
 もしかしたら一生つきあい続けるかも、という関係だ。ラブレターとしては最上級に重い告白となるし、受け取る側も決めるのに相当決心がいる。クルマ、AV家電、高級家電、パソコン、金融、家など、一度買ったら少なくとも数年から10年、いや、もしかしたら20年は使うような高額商品がここに入る。

※ 『明日の広告』P.42~45から一部抜粋。

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佐藤 尚之

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