インターネット広告の費用対効果をネットだけで判断するのはどうなのよ?

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最近、海外の広告を紹介する記事が続いていたので、久しぶりにオピニオン的な記事を書きました。海外の広告紹介記事を期待している方は退屈だと思うので、どうぞお気兼ねなく読み飛ばしてくださいね。

インターネット広告の効果を測定する際によく使われるコンバージョン数(成約数)やCPA(顧客獲得単価)という指標ですが、ログ解析のデータをもとにそれを算出して、それですべての効果を測定できていると考えている人がいます。

でも、正直言ってそんなものはひとつの目安に過ぎません。

確かにアマゾンのようにインターネットだけでビジネス展開している企業であれば、そうした考えに間違いはないのでしょうが、実店舗でも商売をしている場合にはこうした効果測定でインターネット広告の効果がすべて測れていると考えるのは間違いです。

もうすでに気づいている人は多いのですが、それでもまだこうしたことを何の疑いもなく信じている広告業界の人間や企業のマーケティング担当者が多い気がします(実際、そういう感覚の人とよくお会いしますし)。そこで、今回はそうした意識を転換するために面白い記事を2つご紹介しましょう。

1つ目の記事は2007年に米Yahoo!と米comScoreが共同で行なった調査について書かれたものです。

・ネット広告はリアル店舗の売上を押し上げる効果がある~米調査結果[INTERNET Watch]
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/31/16496.html

・事前にインターネット店舗で商品を見た客は、インターネット広告を見た経験がない顧客と比べて、リアル店舗での売上が平均で41%多い
・消費者の89%がインターネットで商品情報を探すものの、インターネットで商品が購入されるのは7%以下
・インターネット広告が増やす売上の90%はリアル店舗で発生する

「インターネット広告が増やす売上の90%はリアル店舗で発生する」というデータは衝撃的ですよね。つまり、ネット上の売上だけを見て効果が低いと判断し、インターネット広告の出稿を停止したら、実店舗の売上も大きく減ってしまう可能性があるということです。

この記事を読んで、どうせYahoo!の調査だから自分たちに都合良くデータを作っているんだろうとか、海外の調査事例など当てにならんと考えている方は以下の記事にも参考のために目を通してみてください。日本の無印良品の事例です。

・無印流のネット・店舗連携が奏功ネットストアの年商、3年で3倍に (ネットマーケティング最前線):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20071009/137151/

・ネットストアの店頭告知で急増したMUJI.net会員は、実店舗のセール情報のニーズが高く、現在でもネットストア購入未経験者が会員の6割以上を占める
・現在の会員数は約120万人。年4回の『無印良品週間キャンペーン』で全品10%オフのクーポンを会員に送ると、10日間の期間中にのべ20万人以上が来店してクーポンを利用する

無印良品では、ネットストアで商品を買ってくれない人も情報収集のためにネット会員の登録をしていて、実際の商品購入は実店舗で行なっているということですね。こうした事例からも、いかにオンラインでのプロモーションがオフラインの売上に貢献しているかがわかるはずです。

ですから、インターネット広告の費用対効果をネットだけで算出しても、それは完全な測定結果にはなりません。

そして、その逆もまた真なりです。オフラインで実施された広告は決してオフラインでの経済活動だけに影響を与えるものではなく、オンラインでの経済活動にも影響を及ぼしています。

消費者はすでに自分がオンラインで活動しているか、オフラインで活動しているかを特に意識もせず、さまざまなメディアをシームレスに使って生活しているわけですから、こんなことは何もデータを見なくても明らかなことです。オンラインとオフラインで趣味・嗜好がガラリと一変する消費者などがいるわけはないのですから、オンラインで気になった商品をオフラインで買ったり、オフラインで気になった商品をオンラインで買ったりするのは至極普通の行動です。

つまり、最近広告業界ではクロスメディアが広告手法の最先端のような言われ方をしていますが、こうした現状を考えれば決してそんなことはありません。

消費者がメディアをシームレスに使って生活している以上、メディアをクロスするのは何も最先端の手法でもなければ、それをやれば得するという類のものではない。もはや「クロスメディア=当然やらなければいけないこと」で、それができない企業の先行きはヤバイっていうだけの単純なものだと思います。

でも、広告会社にしても事業会社にしても問題なのは、そうしたなかでオンライン担当とオフライン担当が自分たちの主導権争いをして、縦割り型組織の構図から抜け出せずにいること。まるで沈没する前のタイタニック号で船長の座を争って、権力闘争をしている乗組員のような感じ。

そんなことをしている暇があったら、一刻も早くオンラインとオフラインをまたいで広告効果を測定する仕組みを考えて、シームレスにオンラインとオフラインでプロモーションができる組織体系を整備した方がいいと思いますよ。

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