先日の広告系ブロガー新年会でご挨拶させていただいた望月和人さんの「日刊・世界の広告クリエイティブ」で非常に共感できる記事を拝見しました。
・広告系ブロガー新年会③[日刊・世界の広告クリエイティブ]
http://mochikaz.blogspot.com/2008/01/blog-post_796.html
Webは人間の思考規範を変えうる物凄いメディアだとは思いますが、
「メディア」に過ぎないとも思っています。
消費者は「電気ドリル」ではなく「穴」を買っている
というマーケティングの名言があります。
Webは凄まじい道具ではありますが、
大切なのは「広告目的」と「インサイト」
そして「ブランドビジョン&アイデンティティ確立」であり、
Webはそのための「ハイパーな道具」に過ぎないと
私は思っています。
「メディア」に限らず「クリエイティブ」も同様ですが
道具を扱っていると道具の魅力ばかりに目を奪われて、
その道具を使って何をするかという本題が曇ってしまう
という本末転倒なことが起きやすいです。
※ この記事は決してWebを卑下するものではありません。引用部分だけでは望月さんの真意が伝わらないと思いますので、ぜひ「日刊・世界の広告クリエイティブ」で全文をご確認ください
望月さんはいわゆる「トラディショナル・エージェンシー」と呼ばれる歴史と伝統を誇る総合広告会社(代理店という表現はあえてしませんよ)にお勤めの方ですが、ポッと出のネット系広告会社(厳密にはちょっと違ったりもしますが)に属する不肖Sousekiも、僭越ながらこの意見には100%賛同させていただきます。
かねてより私も、Webというものは「クリエイティブ(コンテンツ)」という料理を入れる器に過ぎないと思っています。当然、同様にテレビや新聞、雑誌、ラジオなども器であって、どの器を使うにしろ、重要なのは盛り付けられる料理の方です。
よく、「最近のテレビって面白くないよね」的な発言をする人がいますが、そんなことを言い切ってしまう人たちって、おそらくその時点で「クリエイティブ(コンテンツ)」の重要性に対して思考停止状態になっているんでしょうね。料理を食べもせずに器だけで味を評価しても意味がありません。個々のテレビ番組やテレビCMなどを個別に見ていけば、いま驚くほど美味しいものが世の中にはあるんだということにも気付くはずです。
逆にWebはこれまではあり得なかった斬新で独創的な料理にも対応できるすごい器だとは思いますが、そんなすごい器を持て余してしまって、盛り付けられた料理がとてつもなくマズイというケースも目にします。
それに、「Webはどんな業種・業態のプロモーションにも万能で効果大」という錯覚をもっている人たちもいるようですが、決してそんなことはありません。
確かにWebは汎用性の高い器であることは間違いありませんが、すべての料理屋(業種・業態)で利用価値があるかと言われれば、答えは「No」です。
タイトルにも書いたように、牛丼屋なのかフランス料理屋なのかによって、そろえる器の種類や数が変わるように、それぞれのお店に最適な器のラインナップというものがあります。
それがいわゆる、これからの広告展開で重要だと言われる「メディアプランニング」という考え方なのでしょう。
Webという器を使っている料理屋が繁盛しているらしいからという理由だけで、使う器を選んでも意味がありません。広告に携わる人間にとって忘れてならないのは、広告主がどういう料理屋かを知り、どんな器を使えばいいか、そして何より料理をどんなものにすればいいのかを考え抜くことではないでしょうか。
言ってみれば、Webという器だけしか使わない私のような人間は、ある意味では狭い領域の技能を突き詰めるパティシエ(デザート職人)のような存在なのかもしれません。だから、牛丼屋やラーメン屋には不要であるという身の程をわきまえる必要もあります。そして、フレンチやイタリアンのお店で腕を奮う時にも、他のコース料理がどんなものなのかをきちんと見据えた上で、全体の構成を崩さないデザートを作り上げる必要があるのでしょう。
望月さんの記事を読んで、改めてそんなことを考えさせられました。
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